ヘーゲル弁証法によればあらゆる事物は自己矛盾の萌芽を孕み、自己矛盾が発現することで変化する
資本主義経済においても全く同じロジックが適用される
資本主義経済において賃労働者は自己資本の増殖を目的として、直面している状況において合理的な選択をする
一方で賃労働者の合理的な行為は予め資本家の自己資本増殖を目的とした合理的な制度設計によりデザインされたものであり、賃労働者が合理的に振る舞うほど、資本家の自己資本は効率的に増殖していき資本格差は拡大し、賃労働者への支配力は強化されていく
そのため賃労働者は直面している状況において合理的な選択をすればするほど全体的・長期的には資本家に最も効率的に搾取され不合理な結果を招く
この状況において賃労働者の態度はヘーゲルの精神現象学と同じロジックで以下の通り展開していく
①自らの日々の合理的選択が全体的・長期的には不合理な結果を招くことを知らず、ただ直面する状況において合理的選択をし続ける無自覚の態度
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②合理的選択が不合理な結果を招くことを知るが、直面する状況における合理的選択をする以外に選択肢を考えられない絶望の態度
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③合理的選択が不合理な結果を招くことに疑問を抱き、そのメカニズムや成立条件を自らが属する社会や資本主義経済の萌芽まで遡り知ろうとする原因探求の態度
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④日々の合理的行為が不合理な結果を招くメカニズムとその成立条件を知り、合理的な結果を導く別のあり方の実現可能性を探る解決法探求の態度
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⑤合理的な結果を導く別のあり方の実現可能性を見出し、環境に働きかけて試行錯誤しつつ実装しようとする合理的実践の態度
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⑥実装した、または実装しつつある別の合理的あり方もまた萌芽まで遡れば歴史的に成立条件が満たされ導かれたものであることを認識し、合理的実践を人類史全体の中に位置付けようとする反省的態度
④、⑤の段階においては人々の功利感情に訴えかけるが大義のまでは認められず支持を得られない
しかし⑥の段階に至ると功利感情のみならず人々の世界観に変革を生じさせ、今までの世界観や生き方を陳腐化させ、社会全体を巻き込んだ運動に発展する
こうした展開を辿って資本主義経済は終焉を迎える
主流派経済学もマルクスと同じ結論に至って人々もそのことにうっすら気づき始めてるけどどうしようもない②の段階や
9割①やが徐々に②が増えてきてるし経済学は③の入口に差し掛かってるで
カースト制度じゃないんだから一生賃金労働して資本家にならないってのがまずありえん
資本主義で賃金労働は金がない奴が仕方なくやることだというのは別に隠されてもいない大前提やん
働いて余剰金ができたら投資しろというのが基本ルールやろ
それを心配するのは⑤の段階やろ
実際にやろうとすると囚人のジレンマ状態になって皆で一斉にやらんと損するからどうすればいいか試行錯誤するんやろきっと
そうしてますます資本家にとって従順で扱いやすい奴隷になっていくんだよな
みんなが真面目に働けば働くほど経済格差は拡大していく
データで実証されて経済学に自己批判始まってるからな
そろそろ経済学界で③のブームが来るで
ピケティは個人投資家が勝てないことも同時に公表したのが偉いわ
まぁ日本のピケティ要約本ではそこは触れられないんやけど